名人づくしの地域が学び舎 vol.2

山・森が近い会社員として働く農業に携わる林業に携わる起業(農家民宿含む)自然の中で子育て芸術・創作活動ができる自分でつくり・育てる(野菜・米)

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歌声響く学び舎を囲んで
手を取り合う里山の人々

京丹波町竹野(きょうたんばちょうたけの)地域

子育て真っ最中の娘家族と2世帯移住

では、今まさに金延さんたちの思いを受け止める側に立っている、移住間もないご家族のお話を聞いてみましょう。竹野小学校と同じ高岡集落で暮らす、橋本宙八(はしもとちゅうや)さん・ちあきさん夫妻と、娘のナイト・カユウさんです。
ちなみにカユウさんは、オーストラリア人のご主人と2人の娘さんを伴って、はるばるオーストラリアからの移住。やはり子育て環境に重きを置いた選択だったようです。

「私自身が福島県の田舎育ちなので、日本で子育てをするなら、自然に囲まれたところがいいなと思っていました。両親がこちらへの移住を考えていると聞いて見に来たら、期待していた通りの環境でした。それでいて、京都市内へのアクセスもよく、国際的にも文化的にも開かれた街の要素も取り入れられそうだなと思い、両親の移住に便乗することにしたんです(笑)」

ご両親とともに移住して約1年。乳幼児を抱える身とあっては、友達づくりもままならない?と思いきや、すでに50人近くのママ友ネットワークを築いているとのこと。一体どうやって?

「京丹波町の子育て支援施設で知り合ったお母さんが中心ですね。そのほかに、英会話やヨガのスキルを活かそうと思って始めた小学生向けの英会話教室や、お母さん向けのヨガ教室を通じて知り合った方もいます。地元の方といっても、他の地域から嫁いで来た方も結構いるので、移住者の私でも溶け込みやすかったですね」

その一方で、「夫はちょっと面食らったかも」とカユウさん。それは橋本家で営まれている自然に寄り添った暮らしに関することです。

「うちでは薪でお風呂を沸かしたり、コンポストの堆肥で野菜を育てたりするのが当たり前なんですけど、夫にしてみればカルチャーショックだったと思います(笑)。私としては、この暮らしのエッセンスを子育て中のお母さんたちに提供する場を新たに設けたいなと思っています」

パワーを授かり、再出発を決意

カユウさんのお話にもあったように、橋本さんご夫妻はかつて、福島県いわき市の山中に居を構え、30年以上にわたってマクロビオティックや自然生活を提案する事業を営んでいました。しかし、東日本大震災に伴う原発事故の影響により、住み続けることができなくなりました。知人の紹介を受けてまず京都市内へ移り住み、5年後の平成28年3月、カユウさん家族と一緒に竹野地域へやって来ました。

「京都市内もよかったのですが、より自然が豊かで、水も空気もきれいな場所で暮らしたいという思いが断ち切れなくて。そうしたら京丹波町で造園業をされている細見さんという方と偶然知り合いましてね。空き家もあるというので来てみたら、見晴らしはいいし、福島とどことなく似た風情も感じられて好印象でした。でも、最大の決め手は『人』ですね。細見さんの人柄と『京丹波町の人はよそものでも気楽に接してくれる』という話が心に響きました」

それからほどなくして、話に聞いた「人のよさ」を実感し、「ここならやっていける」と確信した出来事があったそうです。その舞台は、あの竹野サロンでした。

「家の改修作業に通っていた頃、京都市内の友人に竹野小学校のことを聞いて、ふらっと足を運んだんです。すると、校長先生が出ていらして、いきなり『今日は木曜日ですね。サロンに行きましょう!』って。言われるままに付いていったら地域のお年寄りがたくさんいらして、賑やかにおしゃべりしてる。なんて元気な地域なんだろう!って感動しましたね。私たちより年上の方ばかりなのに、逆に元気をいただきました」

また、80代のご近所さんへ挨拶に行くと、「あぁよかった。若い人が来てくれて」と大喜び。60代はまだまだ若いと歓迎してくれる元気なお年寄りのパワーに触れるうち、橋本さんは「歳も歳だし」と諦めかけていた事業再開に乗り出す意欲が湧いてきたそうです。

「今回、いろんな人のおかげでここに来ることができたので、今度は私たちが地域のマンパワーにならなくてはね。今まで培ってきたものを、田舎暮らしや自然農に興味を持つ若い人たちにお伝えする場を設けて、地域活性化や移住促進のお役に立ちたいと思っています」

活動の基盤となる自分たちの暮らしも、「もっと理想に近づけていきたい」と橋本さん。すでにソーラー発電や薪ストーブ、井戸水などを活用していますが、福島にいた間には達成できなかった電力の完全自給自足をここで実現したいと考えているそうです。

「私たちが目指す暮らし方は、昔の人が当たり前にやっていた暮らし。何もかも同じようにするべきだとは考えていませんし、快適な都会暮らしを否定するつもりもありません。ただ、現代人はもう少し、自分の足で立つ力を取り戻したほうがよいのでは、とも感じています。災害などに見舞われてライフラインが途絶えたとしても、ちゃんと生き延びる術があるということを実践的に示していきたいのです」

生活のすべてを奪われたつらい過去を乗り越えて、前に向かって進み始めた橋本さんご家族。背中を押したのは、細見さんをはじめとした地域の人々との出会いでした。そして、金延さんが活性化委員会の活動に身を投じたのと同じように、橋本さんもまた、自身のライフワークを通じて「地域への恩返し」を目指しています。そうやって動き出さずにはいられなくなる、温もりあふれる竹野の里であなたも暮らしてみませんか? 地域との縁結びは、京都移住コンシェルジュにお任せください。

 

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